買いたい!隣接者の入札傾向と方針

~隣接者に対する売却方針の実務ガイド

成年後見や相続の案件では、隣接者が購入希望を示すケースが少なくありません。
このページでは、R-auction®の入札データをもとに、先生方が売却方針を決定する際の参考情報をまとめています。

隣接者が「買いたい!」と思う主な2つの理由

  1. 購入すると、資産価値が向上する場合
  2. 購入すると、所有不動産の課題が解決する場合

・狭小間口(連棟を含む)
 隣接地を買って、間口を広げたい。
 → 建替え時に床面積を確保したい。

・不整形地
 隣接地を買って、利用価値を高めたい。
 → 整形地に転換して資産価値を高めたい。

・無接道地
 隣接地を買って、接道義務を満たしたい。
 → 現状では再建築できないため資産価値が低い。

隣接者の入札傾向(直近データ)

・落札者となる割合:62.5%
 課題解決型:価格が高くても買いたい!
・不落札者となる割合:36.25%
 投資的判断型:価格が安ければ買いたい!

・落札者となった場合の2番目との差
 → 最大倍率:2.34倍
 → 最小倍率:1.15倍
 → 平均倍率:1.71倍
例)2番目が1,000万円の場合、平均で”約710万円”高く落札

・不落札者となった場合の傾向
 → 入札価額は最下位、または下位に留まる

(データ出典:2025年8月1日までの直近100件中、隣接者入札8件、うち落札5件)

買いたい!隣接者への売却方針

隣接者からの購入希望は、売却条件や価格交渉が感情的になりやすく、また伝達内容が不正確になるリスクがあります。
そのため、成年後見・相続案件では、売却の窓口を不動産会社に一本化し、関係者間の連絡経路を明確にすることが重要です。

特に、隣接者が購入を強く希望している場合でも、早期の直接交渉は避け、

  • 不動産会社の選定
  • 売却方針の確定
  • 価格設定と販売開始日程の決定

といった準備を整えてから情報提供を行うことで、関係者全員が納得しやすい環境をつくることができます。

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