空き家特例適用の売却スキーム

~ 士業のための実践スキームvol.01 ~

「先生のおかげで、手取り額が増えました。」──
令和5年度税制改正要望の結果、相続人への「空き家特例」に関するアドバイスは、士業にとって必須となりました。
この特例を安全かつ確実に適用するためには、適用要件を計画的に満たす「売却スキーム」の構築が重要です。

この「空き家特例適用の売却スキーム」でできること

1.空き家特例の節税効果と概要が分かる。
2.空き家特例の適用可否を簡易に判断できる。
3.最適な売却方法をアドバイスできる。
4.申告までのスケジュールが提示できる。

1.空き家特例の節税効果と概要が分かる。

空き家特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除)を利用すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。例えば、以下のケースでは約500万円前後の節税効果があります。


項目適用前空き家特例適用後
売却価格3,000万円3,000万円
取得費・諸経費500万円500万円
譲渡所得2,500万円2,500万円-3,000万円=0円
所得税・住民税約500万円前後0円

※譲渡所得が3,000万円を下回る場合、課税額はゼロになります。
※課税率は所有期間によって異なりますが、長期譲渡所得(所有期間5年超)の場合で約20%(内 所得税15.315%、住民税5%)が目安です。

空き家特例の概要

相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。
これを、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例といいます。
▸国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」より引用

2.空き家特例の適用可否を判断できる

空き家特例の適用を受けるための家屋は、次の要件を満たしている必要があります。

▢ 相続直前にその家屋に居住していたのが被相続人のみであること
▢ 築年数が「昭和56年5月31日」より前であること
▢ マンションや賃貸物件、駐車場ではないこと
▢ 不動産を相続して3年以内であること
▢ 売買金額が1億円以下の見込みであること

注意!

被相続人が相続開始時に老人ホームへ入居していたケース、または賃貸併用住宅・店舗併用住宅などにも特例の適用が認められる場合があります。上記は一部の判断基準に過ぎません。詳細確認は必ず税理士にご依頼ください。当社では、資産税に詳しい税理士の紹介も承っております。

詳細チェックはこちら
▸国税庁「相続した空き家を売却した場合の特例チェックシート

3.最適な売却方法をアドバイスできる

相続人には、次の手順で説明することで理解を得られます。
もちろん、当社社員が同席のうえ、分かりやすくご説明いたします。


① 相続人に適用要件が4つあることを説明する。


▽ 説明内容 ▽
1.売主が譲渡日までに家屋の耐震改修を行うこと
 (既に耐震性がある場合は不要)
 └[ネック]売却前に500万円以上の支出が見込まれます。

2.売主が譲渡日までに家屋を解体して更地にすること
 └[ネック]売却前に解体費用・測量費用として500万円前後の支出が必要です。

3.買主が譲渡日の翌年2月15日までに家屋の耐震改修を行うこと
 └[ネック]改修しても購入価値のある家屋でなければ需要が限定されます。

4.買主が譲渡日から譲渡日の属する年の翌年2月15日までに家屋を解体して更地にすること
 └[ネック]買主が期日までに解体しない場合、損害賠償対応などの特約条項整備が必要です。

➁ 最適な適用要件は「4」であることを説明する。


▽ 説明内容 ▽
4:「買主が期限内に家屋を解体して更地にする」が最適である理由

空き家特例の適用要件は、特例の主旨である空き家問題の解消から大きく分けて2つあります。
・一つ目が、家屋を耐震改修して、倒壊などの危険性を解消すること
・二つ目が、家屋を解体して、空き家状態を解消すること

次に、耐震改修と解体を行うのは、売主か買主かを問うています。
・譲渡日前に、売主が行う。
・譲渡日後に、買主が行う。

ネックにあるように、現実的には「4」が売主に最適な選択になります。

③ R-auction®による売却が最適な理由を説明する。


▽ 説明内容 ▽
「4」は、令和5年度税制改正により拡充され、空き家特例が現実的に利用できる制度となりました。

<R-auction®による売却が最適な理由>

1.特殊な契約条件にも問題なく対応できる
特例を安全かつ確実に適用するためには、以下の4項を売却条件として付帯する必要があります。

① 売主は「特別控除」の適用を前提とする売却であること
➁ 買主は、所有権移転後に建物の解体を令和〇年〇月〇日までに完了させること
③ 買主は、売主へ必要書類を令和〇年〇月〇日までに交付すること
④ 売主は、買主が必要書類を交付しなかった場合、税控除額相当の損害賠償を請求できること

上記、4項は入札要綱に売買条件として記載することで、入札参加者は条件を理解した上で競争入札に参加します。また、入札参加者は宅建業者のため、解体費用の算出や手配を準備することが可能なため、トラブルになるリスクを最小限に留められます。

2.競争入札による売却価格の引上げが見込める
全国約36,000社の宅建業者に情報を一斉配信し、競争状態の中で最高価格を提示した者を落札者として決定します。とくに相続人が複数いる場合、特定の相続人が価格決定権を持たず、市場が価格を決めることで公平性と納得感が確保されます。

3.R-auction®による「空き家特例」の適用実績
内覧日や開札日などのスケジュールが明記されており、物件案内書の記載内容や入札結果における価格の引上げ状況などをご確認いただけます。

▸第2510155600号:堺市北区金岡町
▸第2510155100号:大阪市此花区朝日2丁目

関連ページ
▸侍手帖ナレッジベース「 ビデオ・アーカイブ

参考
▸国交省「制度の詳細(令和6年1月1日以降の譲渡)

4.申告までのスケジュールが提示できる

「売出し・引渡し・申告」までの一連スケジュール策定は必須事項です。
R-auction®形式では、販売開始から決済までの日程を事前に確定でき、この工程に「空き家特例」適用に必要なタイムラインを組み込めます。

売却スケジュールの作成

税理士の先生方との連携について

当社は士業専門の不動産会社として、税理士の先生方からも多数の売却相談をいただいております。弁護士・司法書士・社会福祉士の先生で資産税に強い税理士紹介が必要な方は、お気軽にご相談ください。

また、既にお付き合いのある税理士の先生とも連携し、相続人が安心して特例を利用できるよう、実務面からの支援モデルを構築しています。

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当社は、先生方と共に状況を整理し、売却判断や関係者調整に役立つ材料をご提供いたします。



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▽ 士業専用ダイヤルまで ▽

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── 先生方からの「よくあるご質問」 ──

空き家特例適用の売却スキームに寄せられたご質問

Q01.特約条項は、どのような内容ですか?
A01.以下の3点が空き家特例の条項です。

▽ 続きを読む ▽
1.売主及び買主は、売主が本契約について租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第35条第3項に定める空き家の譲渡所得の特別控除(以下「特別控除」という。)の適用を受けることを前提として、本契約の売買価格等諸条件を決定したことを互いに確認します。

2.売主及び買主は、本件土地及び建物の所有権移転後に買主が本件建物の全部の取壊し又は除却工事(以下「本工事」という。)を行うことに合意し、本工事については買主の責任と負担において、令和〇年〇月〇日までに完了させることとします。
 なお、買主は、売主が本契約について特別控除の適用を受けるために必要となる書類(以下「必要書類」という。)を取得のうえ、令和〇年〇月〇日までに売主へ交付するものとします。

3.前項のとおり買主が本工事を完了できない又は売主へ必要書類の交付をしないことにより、売主が特別控除を受けることができなかった場合、売主は買主に対し、特別控除を受けることによって本来得られた税控除額相当額の損害賠償を買主に請求することができることとします。
ただし、買主の責めに帰することができない事由により買主が義務を履行できなかった場合は、買主は責任を負わないものとします。

参考
▸国土交通省「令和5年度税制改正による拡充部分の適用を受ける場合、特約等に付帯する文言の例

▽ その他のご質問はこちら ▽

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