★不動産売却Q&A|先生方から質問集

~実務で直面する疑問に、士業専門の視点から回答~

目次(シーン別カテゴリ)

売却方針検討時回答を読む
└ Q01.建物を解体した方が高く売れるのでしょうか?
└ Q02.動産は撤去した方が高く売れるのでしょうか?
└ Q03.心理的瑕疵があるとは、どのような状況ですか?
└ Q04.室内で自死されています。入札できますか?
└ Q05.相続後に不動産業者が頻繁に訪問してくるのはなぜ?
└ Q06.財団組入率と手数料の合計を6%以内に収める方法はありますか?
└ Q07.債権者が求める解除料(ハンコ代)の相場はありますか?
└ Q08.債権者が提示する売出し価格が市場価格と乖離する原因は?
└ Q09.裁判所から1社だけの買取りは、NGと言われた。どうすれば?
└ Q10.隣接者が購入したいと言っています。入札に参加できますか?
└ Q11.相続不動産は、相続登記前に売出しはできますか?
└ Q12.相続人が相続した不動産の売却を行う際、事前に準備すべきことは何ですか?
└ Q13.債権者対応集には、どのような債権者が掲載されていますか?

契約、決済時回答を読む
└ Q01.仲介手数料は、決済前日に振り込んでも問題ありませんか?
└ Q02.仲介手数料の領収書の日付を決済日に変更できますか?
└ Q03.手付金は5%が通例と言われましたが?

許可申立時回答を読む
└ Q01.売買契約後に許可申立てをしても、裁判所の許可は下りるのですか?
└ Q02.仲介業者を介さず直接取引を行った場合、不許可となりますか?

査定依頼時回答を読む
└ Q01.2社の査定価格に500万円もの差があります。なぜでしょうか?
└ Q02.隣接者が購入すると整形地になる土地の場合、査定金額に影響しますか?
└ Q03.他の先生は、入札で売却する場合にも査定を依頼されていますか?
└ Q04.事業用定期借家契約中の建物は、査定できますか?
└ Q05.このマンションは、なぜ安いのですか?

目次(売却形式別カテゴリー)

R-auction® 回答を読む
└ Q01.入札件数とは、入札価額を何度も入れ直した累計回数のことですか?
└ Q02.日本レイズのR-auction®と他社の入札は何が違うのですか?
└ Q03.最短で決済まで何日でできますか?

一般競争入札回答を読む
└ Q01.他社の顧客が落札した場合、手数料はどうなる?


売却方針検討時

Q01.建物を解体した方が高く売れるのでしょうか?
A01.高く売れるとは限らず、むしろ解体コストや境界トラブルのリスクの方が大きいです。
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■ 解体しても高く売れない理由
・不動産の価値は「土地条件」と「市場流動性」で決まるため、建物の有無は価格に直結しない。
・解体費用(100万〜300万円超)が回収できるケースは稀です。

■ 解体前に境界確定が優先される理由
・建物は境界確認の「物理的な手がかり」となる(塀・基礎・杭など)。
・解体後は越境や境界標位置の確認が困難になり、隣地トラブルリスクが高まります。

■ 実務上の注意点
・境界不明確なまま解体すると、売買契約時の「境界明示義務」を果たせなくなるリスクがあります。
・解体する場合でも、境界確認・証拠保全が完了していることが前提条件です。

■ 当社のスタンス
「高く売れるかどうか」ではなく、リスクとコストのバランスを考慮し、原則「現況有姿」での売却を提案しています。

境界が未確定の場合、解体は推奨しておりません。
Q02.動産は撤去した方が高く売れるのでしょうか?
A02.売却価格への影響は小さく、撤去費用の範囲内に収まることがほとんどです。
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動産を撤去しても、売却価格が大きく上がることは稀であり、発生する価格差は一般的に撤去費用の範囲内に収まります。

動産撤去は「価格を上げるため」よりも、以下の実務的なメリットを目的として行われることが多いのが実情です。

■ 実務上のメリット
・貴重品の確認
思わぬ現金や貴金属、鍵などが発見されるケースがあります。

・鍵や書類の発見
売却に必要な重要書類が見つかる場合もあります。

・物件管理のしやすさ(風通し・防犯面)
室内が整理されることで、管理がしやすくなり、防犯面でも安心です。

撤去のタイミングや方法については、費用対効果を含めた判断が必要ですので、片付け前に一度ご相談いただくことをお勧めします。
Q03.心理的瑕疵があるとは、どのような状況ですか?
A03.自死や殺人事件など、買主に嫌悪感を与える事実がある物件を指します。
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心理的瑕疵とは、不動産に関する「人の死」や「事件・事故」が原因で、購入希望者に精神的抵抗感や嫌悪感を与え、取引価格や購買意欲に影響を与える要因を指します。

「その事実を知っていれば購入しなかった」と考えられる場合、その物件は心理的瑕疵物件として扱われる可能性があります。

【該当事例】
・自死
・他殺(殺人事件)
・事故死(転落死、火災など)
・孤独死(死亡後の発見までの期間が長い場合)

■ 参考
心理的瑕疵には明確な法的定義はなく、説明義務の範囲は社会通念や裁判例を基準に個別判断されます。
Q04.室内で自死されています。入札できますか?
A04.入札形式による売却は、心理的負担を軽減できるためお勧めです。
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心理的瑕疵がある物件でも、入札形式によって購入希望者の忌避感を和らげ、取引が成立しやすくなる効果があります。

■ 入札形式が有効な理由
1.他の人も同じ条件で参加している安心感

入札形式で複数の参加者がいる状況は、「自分だけが特殊な事情を受け入れているわけではない」という心理的安心感を与えます。

「みんなが納得しているなら、自分も合理的に判断できる」と心理的ハードルが下がる傾向があります。

2.価格で納得できる合理的な選択として認識される。

入札では、自分が提示した価格が市場評価として反映されます。

「この価格なら納得できる」と自己判断しやすく、購入後の後悔リスクも軽減されます。

■ 重要な前提
入札参加前に「心理的瑕疵があること」を明示しておくことが絶対条件です。

入札形式そのものが「公正なプロセス」として伝わることが、買主の納得感につながります。

■ 結論
入札による競争状態は、買主にとって「他者と同じ条件で判断している安心感」と「納得できる価格で選択した合理性」を提供し、心理的負担(忌避感)を軽減する効果があります。
Q05.相続後に不動産業者が頻繁に訪問してくるのはなぜ?
A05.相続登記後、法務局で登記情報が公開されるため、その情報を元に営業活動が行われています。個人情報が漏洩したわけではありません。
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相続登記を行うと、登記名義人の情報が法務局で公開される仕組みになっています。

不動産業者はこの情報を元に、ダイレクトメールの送付や訪問営業を行うケースが多く報告されています。

突然の連絡に驚かれる方も少なくありませんが、個人情報が漏洩しているわけではなく、制度上の公開情報を利用した営業活動です。

このような営業行為への対処としては、「無視することが最も有効な対応策」となります。反応すると営業が長引く場合があるため、冷静な対応を心掛けてください。

■ 先生方へのお願い
ご依頼者様にも、このような事例が起こり得ることを事前にご説明いただき、不安やトラブルを未然に防ぐアドバイスをお願いいたします。
Q06.財団組入率と手数料の合計を6%以内に収める方法はありますか?
A06.仲介手数料が発生しない「買取り形式」での売却が有効な対応策です。
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債権者の内規で「財団組入率+仲介手数料の合計を売買金額の6%以内」に制限されている場合、買取り形式による売却が実務的な対応策として有効です。

買取り形式であれば、仲介手数料が発生しないため、売買金額の全額を「財団組入」として債権者への配分に充てることが可能です。

その結果、形式的に内規(6%以内)を満たす形で売却手続きを進めることができます。

また、競売移行までの猶予が限られている場合などは、債権者側も「競売との経済合理性」を比較し、早期売却を選択するケースが多くあります。

■ 参考
こうした債権者内規に対応した実務事例や書式は、当社の「㊙別除権付き不動産の債権者対応集」にてご確認いただけます。
Q07.債権者が求める解除料(ハンコ代)の相場はありますか?
A07.一律の相場は存在せず、個別事情に応じて交渉・調整されるのが実務です。
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確かに、債権者によっては「売買代金の1%」を内規としているケースもありますが、解除料(いわゆるハンコ代)は固定的な相場で決まるものではありません。

実務では以下の要素を踏まえ、個別に判断・交渉されるのが現状です。

■ 実務上の判断要素
・債権者ごとの内規(存在する場合はその水準が参考にされる)
・売買金額の大小
・小額物件では1%以上、高額物件では1%未満に調整されることもあります。
・債権回収の全体感
経済合理性や物件の流通性、難易度とのバランスが考慮されます。
・後順位債権者の調整状況
・抹消同意の調整が影響するケースもあります。

■ 結論
「解除料の相場が一律で決まっているわけではない」というのが正確な回答です。

実務では、各案件ごとに交渉・調整が行われるのが通常です。

なお、実際の債権者ごとの解除料対応例については、当社の「㊙別除権付き不動産の債権者対応集」にてご確認いただけます。
Q08.債権者が提示する売出し価格が市場価格と乖離する原因は?
A08.物件の内部状況に関する情報不足が主な原因で、現地確認が行われていない査定が多いためです。
▽ 続きを読む ▽
債権者が提示する売出し価格が市場価格と乖離する理由の多くは、「物件内部の減価要因が査定に反映されていない」情報不足にあります。

■ 主な原因
・机上査定(現地確認なし)による価格設定
・雨漏り・増築・違法利用などの減価要因が考慮されていない
・所有者や入居者しか把握できない内部事情が評価に反映されていない
・債権回収重視の視点から高めに価格設定されやすい

■ ありがちな失敗例
・売出し価格が高すぎて、買主が現れない。
・市場の反応が悪くても価格調整の根拠が示せない。
・契約直前に瑕疵が発覚し、査定の信頼性が損なわれる。

■ 実務での対策
・現況確認ヒアリングの実施
所有者・入居者から内部状況を把握し、減価要因を明確にすることで査定価格を適正化します。

当社ではヒアリング専用フォームをご提供しています。

・査定書への減価要因の反映
具体的な減額根拠を査定書に記載し、価格調整が合理的であることを債権者に説明できます。

・情報格差を交渉材料に活用
市場実勢と乖離する価格提示に対し、具体的なデータを示すことで債権者側も価格調整に応じやすくなります。
Q09.裁判所から1社だけの買取りはNGと言われた。どうすれば?
A09.R-auction®(Web不動産入札)の利用が基本対応です。価格の妥当性・透明性・公平性が確保され、裁判所への説明もスムーズです。
▽ 続きを読む ▽
成年後見業務での不動産売却において、家庭裁判所から「1社の買取り価格ではダメ」と言われるケースは少なくありません。

その際は、R-auction®(Web不動産入札)による売却が基本的な対応策となっています。

■ R-auction®が裁判所で認められる理由(3つのポイント)

1.価格の妥当性が確保される
複数の検討者が参加し、競争入札によって市場に基づく価格形成が行われます。

2.手続きの透明性が担保される
LIVE開札を含む公開性の高いプロセスにより、取引の透明性が確保されます。

3.公正・公平な売却機会が確保される
特定の相手に便宜を図ることができない仕組みで、公平な売却機会が保証されます。

この3点により、成年被後見人のための公正で合理的な売却手続きとして、家庭裁判所にも十分に説明可能な形が整います。

また、今回の売却物件については、地図や過去の取引データからも複数の入札が見込まれるエリアであるため、安心してお進めいただけます。
Q10.隣接者が購入したいと言っています。入札に参加できますか?
A10.はい、隣接者の方もR-auction®(Web不動産入札)に参加可能です。ただし、契約条件や取引リスクの理解が必要です。
▽ 続きを読む ▽
隣接者の方がR-auction®へ参加することは可能ですが、士業が関与する売却物件では「契約不適合責任の免除」「ローン特約不可」など、一般的な取引とは異なる契約条件があるため、入札参加には一定の条件と事前説明が必要です。

当社では、以下のフローを通じて、トラブルを未然に防ぐための対応を行っています。

■ 隣接者参加時の確認フロー
1.初期対応
隣接者からのご連絡は当社が一元対応し、先生方にも事前共有いたします。

2.ZooM面談の実施
入札前に必ずオンライン面談を実施し、取引の特殊性・リスクをご説明します。

面談結果により、リスクが高い場合は入札参加をお断りすることもあります。

3.室内内覧の必須化
取引トラブル防止のため、必ず室内内覧を行っていただきます。

4.入札実施と結果の取扱い
入札結果は非公開とし、落札された場合はLIVE開札当日を契約日とします。

5.対面契約の実施
契約は対面形式で行い、持ち回り契約・電子契約は不可とします。

■ 安心してご参加いただくために
隣接者が入札に参加することで「価格の妥当性」「手続きの透明性」「公正・公平な売却」の3要件を満たすことができます。

その一方で、通常の不動産取引とは異なる契約条件について正確にご理解いただくことを前提に、当社が合意形成をサポートいたします。
Q11.相続不動産は、相続登記前に売出しはできますか?
A11.相続登記前でも「売却活動(売出し自体)」は可能ですが、契約や引渡しには相続登記が必須です。
▽ 続きを読む ▽
1.売出し(広告・購入希望者の募集)は可能
相続登記が未了の状態でも、不動産会社を通じて売却の準備を進め、広告を出すこと自体は法律上禁止されていません。実際のところ、相続人全員が売却方針で合意している場合には、登記前から販売活動を始めるケースも多くあります。

2.売買契約の締結には制約がある
ただし、買主に所有権を移転できるのは相続登記を経てからです。
・相続登記が未了のまま契約をすると、所有者が誰か特定できないため、契約の有効性に不安が残ります。
・実務では「売買契約は可能だが、引渡し・所有権移転登記は相続登記完了後」とする停止条件付きの契約にするのが一般的です。

3.買主への説明責任
相続登記が未了であること、相続人間で合意していること、登記完了をもって引渡し・所有権移転を行うことを、契約書や重要事項説明で明確に説明する必要があります。

4.推奨される流れ
・相続人間で売却方針を合意
・相続登記の申請準備を進めつつ売却活動を開始
・売買契約は「相続登記完了後に効力を発する」旨を契約書に明記
・登記完了後に決済・引渡し
Q12.相続人が相続した不動産の売却を行う際、事前に準備すべきことは何ですか?
A12.以下に、不動産売却を円滑に進めるために必要な準備事項をまとめました。
▽ 続きを読む ▽
1.相続登記の完了と必要書類の準備
・相続不動産を売却する前に、相続登記を完了することが最優先です。
・登記事項証明書または、遺産分割協議書などの疎明資料をご準備ください。
・遺言執行者の方は、速やかに手続きを開始することが求められます。

2.代理人契約の場合の委任状取得と手続き
・代理人による売却手続きを行う際は、相続人全員の合意のもと委任状を作成する必要があります。
・ご本人が直接手続きを行う場合には、面談(本人確認)が必要です。

3.委任状取得時に必要な書類
・委任状の写し
・本人確認書類の写し(顔写真付き)
・実印
・印鑑証明書の写し

4.アドバイス
代理契約の際は、書類不備を防ぐために事前に弊社担当者と書面の確認をされることをお勧めします。

5.参考資料
委任状(ダウンロード版)
Q13.債権者対応集には、どのような債権者が掲載されていますか?
A13. 債権者対応集では、実際の売却案件を基に、各債権者の名称・財団組入率・対応スタンスを整理・蓄積しています。
▽ 続きを読む ▽
債権者対応集には以下の債権者の実名データが記載されています。

・債権回収会社(7社)
・政府系金融機関(2社)
・金融機関(4社)
・信用保証会社(5社)
※2025年7月1日時点

なお、「別除権付き不動産の債権者対応集」は継続的に更新しており、常に最新の実務情報をご確認いただけます。

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契約、決済時

Q01.仲介手数料は、決済前日に振り込んでも問題ありませんか?
A01.許可申立ての停止条件が成就していれば、決済前日でも振込は可能です。許可申立の停止条件が成就した後であれば可能です。
▽ 続きを読む ▽
仲介手数料は、宅地建物取引業法上「売買契約の成立後」でなければ受領できません。

成年後見制度においては、売買契約条項に裁判所の処分許可が停止条件として記載されている場合、許可が下りるまでは受領できません。

そのため、停止条件が成就(許可取得)していれば、決済日より前でも振込は可能となります。

逆に、許可前の受領は認められていませんので、注意が必要です。
Q02.仲介手数料の領収書の日付を決済日に変更できますか?
A02.日付の変更はできません。領収書は実際の受領日で記載する必要があります。
▽ 続きを読む ▽
領収書の日付は、「金銭を受領した実際の日付」で発行することが義務付けられています。

決済日と異なる日付に変更して発行することは認められておりません。

特に成年後見業務においては、金銭授受の経緯を明確にしておくことが重要なため、決済日当日にお支払いいただくことを推奨しています。

これにより、帳簿上の整合性とトラブル防止が図れます。
Q03.手付金は5%が通例と言われましたが?
A03.通常は「10%」が一般的です。5%が用いられるのは高額取引(1億円超)での調整例に過ぎません。
▽ 続きを読む ▽
手付金は、売買価格の10%を基準とするのが実務上の通例です。

ただし、売買価格が1億円を超える高額取引の場合は、手付金の絶対額が大きくなりすぎるため、5%程度に調整されることがあります。

「5%が一般的」という説明は、高額取引の一部に見られる実務慣行であり、全ての取引に当てはまるものではありません。

売買価格が1億円未満の場合は、10%が標準とされています。

■ 補足ポイント
・手付金の額に法的な上限下限はありません(契約自由の原則)。
・高額取引では当事者間で5〜10%の間で調整することが一般的です。
・手付金は「契約の拘束力」と「解除時の負担」のバランスで設定することが重要です。

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許可申立時

Q1.売買契約後に許可申立てをしても、裁判所の許可は下りるのですか?
A1.特約条項を整備していれば、売買契約後に申立てを行っても許可が下りるケースが一般的です。
▽ 続きを読む ▽
⇒「㊙許可申立サンプル集」見てのご質問

以前は売買契約前に許可申立てを行うケースが主流でしたが、近年では、売買契約後に申立てを行う実務例が多数となっています。

特に、当社がご提供している売買契約書には、裁判所の許可を前提とした停止条件や必要な特約条項が整備されており、許可申立後にスムーズに許可が下りた事例が多くあります。

■ 裁判所許可のポイント
・契約書に「停止条件」や「許可取得が前提である旨」の特約条項が整備されていること。
・売却経緯や価格根拠が明確に説明できること。

実際に長年成年後見業務を担当されている先生方からも、「日本レイズの売買契約書なら、事前申立ての必要性を感じない」とのお声をいただいております。

なお、最終的な許可判断は裁判所が行うものですが、実務的には売買契約後の申立が一般化している状況です。
Q2.仲介業者を介さず直接取引を行った場合、不許可となりますか?
A2.不許可となった事例は把握しておりませんが、「取引の経緯」と「価格の根拠」が適切に説明されていれば、許可を得られた事例もあります。
▽ 続きを読む ▽
ただし、成年後見人の立場上、売り側だけでも仲介業者を介在させることをお勧めします。

成年後見人による売却では、通常は仲介業者を介して売買契約を行いますが、直接取引となった場合も許可が下りた事例はあります。

ただし、許可の可否は最終的に裁判所が判断するものであり、以下の2点を許可申立書で明確に説明することが重要です。

1.なぜ直接取引に至ったのか
→ 依頼者や相手方との関係性、取引に至る経緯を具体的に説明。

2.価格の妥当性をどのように示すか
→ 査定書や近隣事例等を使って、価格根拠を明示する。

加えて、成年後見人という立場上、利害関係が相違する相手方との直接取引はトラブルの原因にもなり得るため、売り側だけでも仲介業者を介在させることを推奨します。

売買契約書の整備、価格交渉の透明性確保、トラブル発生時の第三者対応といった観点からも、仲介業者の役割は重要です。

当社の「㊙許可申立サンプル集」には、こうした視点を反映した事例も掲載しております。

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査定依頼時

Q01. 2社の査定価格に500万円もの差があります。なぜでしょうか?
A01.「依頼の仕方」によって、査定価格に大きな差が生じることは実務上よくあります。
▽ 続きを読む ▽
査定価格に大きな差が生じる原因の多くは、「査定をどのように依頼したか」にあります。

例えば、「複数の不動産会社に査定を依頼し、最も高い査定を提示した会社に売却を任せる」と伝えると、各社はまず“受託を取るための査定”を行う傾向が強くなります。

この場合、提示される査定価格は「実際に売れる価格」ではなく、「選ばれるための高い査定」となる可能性が高いです。

一方、慎重な不動産会社は、減価要因や流通リスクを正確に織り込んだ現実的な価格を提示します。

このような「受託目的の査定」と「実勢価格を重視する査定」の違いが、500万円といった大きな価格差となって現れます。
Q02.隣接者が購入すると整形地になる土地の場合、査定金額に影響しますか?
A02.査定金額には影響しません。査定は特定の購入希望者を前提にせず、一般市場での取引価格を基準に算出します。
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査定金額は、「特定の購入希望者がいるかどうか」に関わらず、一般市場における客観的な取引価格を基準として算出されます。

隣接者が購入することで土地が整形地となり、不動産評価が上がるのは購入後の話であり、査定時点ではその効果を反映しません。

ただし、隣接者にとって購入するメリットが大きい場合は、R-auction®に参加してもらい、競争状態を作ることで最終的により高い価格提示を引き出すことが可能です。

査定金額そのものは変わりませんが、実際の売却価格は入札による競争で上昇するケースもあります。
Q03.他の先生は、入札で売却する場合にも査定を依頼されていますか?
A03.ご依頼いただく先生は少数ですが、売却判断の参考資料として査定を依頼されるケースもあります。
▽ 続きを読む ▽
成年後見業務を継続的に行っている先生方へのインタビューでも、入札での査定書の要否については意見が分かれています。

■ 【査定書が不要と判断されるケース】
入札によって複数の参加者から最高値を選ぶプロセスそのものが、市場価格の妥当性を担保するため、開札結果が裁判所への説明根拠となり、査定書は不要とする考え方。

■ 【査定書を依頼されるケース】
「自分は不動産価格の専門家ではない」との理由で、売却前の判断材料として査定書を依頼される先生もいます。
被後見人の生活費確保など、適正な売却金額かどうかを事前に確認する目的で査定書を活用されています。

■ 【家庭裁判所の運用について】
弊社が確認している範囲では、R-auction®(Web不動産入札)で売却された事例において、家庭裁判所から査定書の提出を求められたケースは確認されていません。

入札形式そのものが、市場価格を反映した公正な手続きと認識されていると考えられます。

■ ポイントまとめ
入札結果=市場価格 → 裁判所への説明資料として十分とする考えが主流。
一方、売却判断の材料として事前に査定書を依頼する先生も一定数存在。

家庭裁判所から査定書提出を求められた事例は確認されていない。
Q04.事業用定期借家契約中の建物は、査定できますか?
A04.対応はできません。
事業用定期借家契約中の建物は、契約終了後に建物滅失・明渡しが予定されていることが多く、売買市場の対象になりません。

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■ 不動産業者の業務範囲か?
不動産業者(宅建業者)が取り扱えるのは、宅地や建物の「売買」「交換」「賃貸」の媒介・代理・売主業務です(宅建業法第2条)。

一方、事業用定期借家契約中の建物で、契約終了時に明渡しや滅失が確定しているケースでは、

・所有権の移転が困難
・借地権や建物に、実質的な市場価値が認められない

といった事情から、通常の売買市場が成立しません。

そのため、宅建業者が「媒介」や「査定」を行う対象とはならず、不動産業務の範囲外と解されるのが一般的です。
Q05.このマンションは、なぜ安いのですか?
A05.マンションの価格は、一見同じように見えても、築年数・耐震基準・管理状況・室内状態などによって大きく変わります。
▽ 続きを読む ▽
例えば、次のような要因が重なって「相場より安い」と感じられることがあります。

1.築年数と耐震基準
1981年(昭和56年)以前の旧耐震基準で建てられた物件は、金融機関の住宅ローンや地震保険で制約を受けやすく、価格が下がる傾向があります。

2.リフォーム費用の必要性
室内設備や内装が古い場合、購入者がリフォーム費用を追加で負担するため、その分が価格に反映されます。

特に 全面改装を行う場合は、300万~500万円程度の費用が掛かることも一般的です。

3.管理状況と修繕積立金
管理が十分でない、修繕積立金が不足している場合は、将来の出費リスクを考慮され、価格が抑えられることがあります。

4.面積・間取りの流通性
一般的に需要が少ない面積帯や間取り(例:ワンルーム、広すぎる間取りなど)は流通性が低く、価格形成に影響します。

5.立地条件の細かい差
同じ「駅徒歩10分」でも坂道の有無や周辺環境で需要が変わり、価格差となることがあります。

─つまり、単に「築年数」「広さ」だけではなく、住宅ローンの可否や修繕費負担など“購入者の実感値”に直結する要素が重なった結果として価格差が生まれているのです。

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R-auction®

Q01.入札件数とは、入札価額を何度も入れ直した累計回数のことですか?
A01.いいえ、累計ではなく、閲覧時点で成立している入札件数を指します。
▽ 続きを読む ▽
⇒「不動産Player’s Market®」を見てのご質問

「入札件数」とは、最終的に入札が成立している件数を指します。

入札参加者が入札価額を何度も変更した場合でも、その変更回数を累計するものではありません。

R-auction®では、入札が入る度に出品者へ「Web入札速報」がリアルタイムでメール通知されます。

また、入札参加者は他の入札者の動きを見ながら何度でも入札価額を変更できるため、結果として競争が促進され、最終落札価格が伸びやすい仕組みとなっています。

なお、入札件数は「現時点での入札状況」を示すため、閲覧時点での正確な数値が確認できます。
Q02.日本レイズのR-auction®と他社の入札は何が違うのですか?
A02.R-auction®は「価格の妥当性」「手続きの透明性」「公正な売却」を第三者に説明できる仕組みが組み込まれている点が他社と大きく異なります。
▽ 続きを読む ▽
まず、R-auction®は単に「高値を競うための入札」ではなく、売却価格の妥当性・手続きの透明性・関係者の納得感を第三者に対して説明できる仕組みが組み込まれています。

他社の一般的な入札と比べた際の主な違いは、次の3点です。

1.開札の透明性
R-auction®では「LIVE開札」を実施し、入札参加者がどのような過程で落札者に至ったのかが可視化されます。

一方、他社では開札が非公開で行われるケースが多く、関係者が入札過程を確認することはできません。

2.開札結果の公開性
R-auction®では、すべての入札価額を開示する「全札公開」を原則としています。
他社では、落札価格のみが知らされることが一般的で、他の入札金額は非公開のまま取引が進みます。

3.売買契約の計画性
R-auction®は、開札当日に契約を締結する仕組みとなっており、スケジュールが明確に確定します。

一方で他社の入札は、開札後に契約締結日を別途調整する必要があり、関係者間のスケジュール調整に時間を要するケースもあります。

このように、R-auction®は「公正さ・透明性・段取りの確実さ」を士業の立場で説明しやすい設計となっている点が、他社入札との大きな違いです。
Q03.最短で決済まで何日でできますか?
A03.成年後見業務では、ご相談から決済まで 最短20日で完了した事例 があります。
▽ 続きを読む ▽
ポイント

1.許可申立の迅速化
「至急」と複数箇所に記載(送付書の表紙、申立書内など)。
詳細は ㊙許可申立書サンプル集 をご確認ください。

2.許可書原本の早期取得
書記官に発送照会を行い、決済日を確定。

3.落札者側司法書士の協力
事前に決済日確定への協力を依頼。

4.融資未利用での進行
入札要綱に決済予定日を明記し、内覧者には落札時点で短期決済の協力を打診。

─ このように、関係者の調整や申立書の工夫次第で、短期決済も十分可能です。

以下は、20日間の実施事例です。
7/23(水):相談受付、プレセール
7/24(木):現地確認、調査
7/25(金):情報配信、契約条件確認
7/28(月):内覧会実施
8/01(金):開札、契約締結、決済日確定、移転登記事前打合せ
8/04(月):許可申立郵送
8/07(木):許可状況確認
8/08(金):許可証到着
8/12(火):決済

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一般競争入札

Q01.他社の顧客が落札した場合、手数料はどうなる?
A02.売主は、媒介契約を結んだ当社にのみ仲介手数料を支払います。他社の顧客が落札しても、追加で支払う必要はありません。
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仲介手数料は、媒介契約(専任・専属専任・一般)を締結した不動産会社にのみ発生します。

したがって、出品者(売主)は、媒介契約を締結している当社にのみ仲介手数料をお支払いいただきます。

他社の顧客が落札した場合でも、その顧客が契約している不動産会社に対して仲介手数料を支払うのは「買主」です。

売主側が新たに別の不動産会社へ仲介手数料を支払う必要はありません。

二重支払いになることは制度上ありませんので、ご安心ください。

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本Q&Aは「目次用Q(シンプル版)」+「A(結論ファースト)」+「詳細補足」形式で校正しています。

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